MDP3020SFN_Lockup_black

MDP3020 SFN を利用した地上 IP ネットワーク経由の PTP (Precision TimingProtocol) 同期パケット伝送では、 従来の GPS 受信機を使用したネットワークと比べ、回復力が高く、よりコスト効率の良いネットワーク構築を実現します。災害等の緊急時においても、 GPS 受信時のシステム外からの干渉を最小限に抑えることができるため、安定性に関しても秀でたシステムを 構築することが可能です

従来のSFNネットワークでは、GPS受信機を使用して送信所と本局を同期させていましたが、MDP3020 SFNでは、IPネットワークを介し、全ての送信機は完全に同期され、同じ周波数同じデジタル情報で動作します。送信機が低電力で動作していることにより、ネットワーク上の拠点間で均一な電解強度を実現し、運用の安定性を向上させます。IPネットワークを使うことにより、無線の電波障害に干渉されないという側面もあります。

加えて、ネットワークや機器単位の冗長化により、安定したネットワーク同期が行えるのも安定性の1つで、運用管理システムにより、ネットワーク越しにシステムを包括的に管理することにより、オペレーション面でもシステムをサポートします。

また、従来のGPS受信機を利用した設備と比較して、システム構築のコストメリットがあるのもの特徴です。IPネットワーク経由で同期を行うことにより、各拠点にアンテナを設置する必要がなくなることから、そこにかかる莫大な設備投資を節約することができます。

PCRジッター抑止機能により、IP化の際の位相変動におけるPCRジッターの抑止を実現

周波数安定機能により、利用回線依存のクロック信号の乱れの影響を排除し、安定した時刻同期を実現

  • SMPTE2022-1/2/7の標準規格に準拠
  • ETSI TR 101-290に準拠したTS信号モニター機能を搭載
  • 1G/10Gのネットワークインターフェースを保有
  • オートプロテクション、無瞬断切替機能を搭載
  •  モード変更により同一筐体で送信機と受信機の切替が可能(再起動伴う)
  • PTP(IEEE1588 V2)プロトコルに対応した高度な同期機能
  • 4本までのDVB-T/DABトランスポートストリームのサポート、および IPを介した T2-MIプロトコルによるT2 ベースの多重化
  • PTP により得た時刻情報を基に1PPSと10MHz 信号を作成し出力
  • 外部機器と連動した1Gbeネットワーク越しのBC同期が可能
  •  1RUハーフサイズの省スペース設計
  • サイズ: 215 mm (W) x 42 mm (H) x 300 mm (D)
  • 重量:2.7kg以下
  • 消費電力:108VA以下(電源冗長可)

MDP 3020 SFN 概要

MDP3020 SFNはPTPをサポートしているIPネットワークの他、DWDMネットワーク、SDHネットワークあるいはダークファイバー上のセンター拠点とローカル拠点の間で4本のDVB-ASI信号の伝送とPTPによる時刻伝送を可能とします。ローカル拠点ではPTPにより得た時刻情報を基に1PPSと10MHz信号を作成し出力することができます。これにより、ローカル拠点でGPSレシーバーを設置する必要が無くなり、PTP IPベースでSFNを実現することができます。

MDP3020 SFN アプリケーション概要

放送 TS 信号とタイミング情報の伝送構成

放送局の MDP3020SFN(TX) は入力された DVB-ASI 信号内の放送 TS パケットを IP パケット化にカプセリング化して、現用系(図 中の1)、予備系(図中の2)の 2 つの RTP ストリーム(TS 信号を IP パケット化して送られる一連の IP パケット群)を生成し、 PTP 対応 L2 スイッチ(MDX48X6C)に送信します。送信所の MDP3020SFN(RX) は、MDX 48X6C より受信した RTP ストリーム 内の IP パケットを非カプセル化します。現用系と予備系の RTP ストリームは監視され、パケット欠落が検出された場合、無瞬 断で予備系に切り替えられます。

これらの一連の IP パケットフォーマットは ST2022 に準拠しており、-1,-2,-7 に対応した伝送を実現します。
本構成では、ASI 信号に加え、GM 冗長化による PTP 時刻配信も行っています。図中の34の様に、L2 スイッチも冗長化し、信 頼性の高いネットワーク時刻同期を実現します。